20061109 改定 20061223 | |
大田神社 |
住所 | 京都市北区上賀茂本山 | |
祭神 | 天鈿女命 | |
摂社 ・ 末社 |
白鬚社 猿田彦神 百大夫社 船玉神 鎮守社 大國主神 少彦名神 | |
神徳 | 長寿・芸事上達・縁結び・方除け |
由緒 | 賀茂別雷神社の境外末社の一つ。式内社「太田神社」に比定される。摂社の猿田彦神は大田神とも称し、社名はこれにちなんでいる。古くは「恩多社」と呼ばれ、この辺りの沼沢地を開拓した賀茂氏により地主神として祀られ、その後、賀茂別雷神社八末社の一として崇敬をうけた。『賀茂注進雑記』によれば近世前期の神殿は表八尺六寸五分・脇七尺、拝殿は表一間半・脇二間であり、太田社末社として白鬚社・百大夫社・福徳社・鎮守社・印殿の五小祠をあげる。大田神は「天鈿女命」「猿田彦」「船玉」「福徳」の四柱をもって不可離の関係であり、四柱神をもって大田神社が形作られている。 参道東側の池は大田ノ沢とよばれ、カキツバタ群落と古来の泥炭地を残す大田ノ沢が国の天然記念物に指定されている。池の広さは2000uでカキツバタが5月上旬から下旬まで紫一色の花を咲かせる。姿は幽玄可憐で人々を魅了してやまない。 カキツバタは、シベリア、サハリン、千島、中国、朝鮮と日本に自生し、アヤメ科アヤメ属に分けられる。カキツバタが5月に咲き、水を好むのに異なりアヤメは陸を好み、ショウブは6月に花をつける。カキツバタの葉は60〜70pになり、花茎の先に直径12p程度の濃紫の六枚の花びらを垂らす。北限は北海道、南限は長崎である。 大田ノ沢は雲ケ畑の池と底で繋がっており、水が枯れたことがないと言われている。また、「池に手を入れると手が腐る」と言い、花を持ち去るのを戒めていた。 藤原俊成 文治6年 『神山や おほたの沢の かきつはた 深きたのみは 色にみゆらん』 「歌意:大田神社にお願いする色事は、カキツバタの色のように一途で可憐なのだろうか」 (参考:駒札/京都市・駒札/賀茂別雷神社摂社太田神社・京都山城寺院神社大事典)
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賀茂別雷神社から東へ明神川を遡っていくと大田神社の参道が見える。 | 「蛇の枕」と呼ばれる雨石。農具で叩くと蛇が怒り雨を降らせると言い伝える。また、池の中より探し、引き上げて祈願すると雨を降らせるという昔語りも残る。 | 社務所。 |
入母屋妻入りの割拝殿。 | ||
一間社流造の本殿。 | ||
白鬚社、猿田彦神。天孫降臨に際し、御前を承られた神。道路安全の御神徳が高い。 | ||
百大夫社、船玉神。航海、漁撈守護の神。また道祖神として道路安全を司る。 | ||
鎮守社。 | ||
大田ノ沢のカキツバタ群落。 |
リンク | なし | |
参考文献 | 京都・山城寺院神社大事典 平凡社 1997 |
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