岩戸落葉神社

20070507 更新 20130223
岩戸落葉神社

住所	京都市北区小野下ノ町
祭神	岩戸社　稚日女神・彌都波能賣神　瀬織津比咩神落葉社　朱雀天皇皇女二ノ宮落葉姫
摂社・末社	稲荷社：福龍稲荷大明神・太田命靖國社：英霊神明社：天照皇大神・天児屋根命天神社：菅原道真太田社：太田神八幡社：応神天皇山神社：大山祇神・大山咋神
神徳	不明

由緒

　創祀は不明。岩戸社と落葉社の二社からなる。両社は鳥居や拝殿を共有し、背後には露岩が被さるようにそそり立つ。中世以降に近接して祀られ、いつからか「岩戸落葉神社」と連称されるようになった。中世にはもう一つ御霊神社が存在したが、今は廃絶している。
　岩戸社は小野上村の産土神で、落葉社は小野下村の産土神。落葉社の由来として、『山城国式社考』や『山城志』では、「堕川」が「落葉」に転訛したとされ、葛野郡式内社「堕川神社」が「落葉神社」に改められたとする。『源氏物語』に落葉の宮の伝承が残る。朱雀天皇の皇女である落葉の宮は柏木右衛門督に嫁いだが、柏木は落葉の宮にこころ染まず、その妹の女三の宮に恋慕した。しかし、女三の宮はほどなく亡くなった。傷心の落葉の宮は母とともに「小野の山里」に隠棲したが、間もなく光源氏の子である夕霧が訪ねてきて、落葉の宮と親しい仲となったという。落葉神社はその隠棲地に因んで創祀されたとつたえ、柏木が恋慕した落葉の宮の妹、女三の宮の霊を祀ると記されている。だが、『扶桑京華志』では、源氏物語の登場人物に付会された後世の伝承と否定されている。
　御霊社は、『京師巡覧集』では嵯峨天皇の皇后橘嘉智子を祀る社とされ、『扶桑京華志』には藤原旅子を祀ると推定されているが、根拠は明らかではない。嘉永５年、道風神社所蔵の『御宮社建物書上帳』に載る、「天明８年の境内図」には岩戸落葉神社と御霊神社が並んで祀られ、「応永１４年以前社頭」の境内図では、御霊神社は岩戸落葉神社と川をへだって祀られ、拝殿も別になっている。　

（参考：京都奈良滋賀の観光案内/京都・山城寺院神社大事典）

京都北山小野の郷に岩戸落葉神社の幽玄な境内がある。
大きな石に刻まれた苔むした水盤。
岩戸社、落葉社の両社共に使われる拝殿。
左が岩戸社、右が落葉社。
本殿後方から覆いかぶさる磐座。
本殿前の逆立ちする狛犬。
稲荷社。
靖国社。
神明社。
左に天神社と太田社。　右に八幡社。
山神社。

リンク	京都奈良滋賀の観光案内神詣(廃止)
参考文献	京都・山城寺院神社大事典平凡社 1997

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